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面接で「上司に怒鳴る」と豪語した男の話から考える、現代の身元調査とOSINTの真価 (著者:Sandy M)
2025年07月23日

今から何年も前、私がまだ大学生だった頃、ある大手小売店で働いていました。在庫管理、検品、トラックからの荷降ろし、そしてお客様対応。いわゆる店舗業務のすべてを経験し、数年後には基本的なマネジメント業務も任されるようになりました。その中でも特に興味深かったのが、採用面接のプロセスでした。
1990年代、採用候補者について知る手段は限られていました。数件の推薦先への電話、簡単な身元調査、そして正直あまり役には立たない奇妙な「性格診断テスト」くらいなものです。何年も面接を繰り返すうちに、危険な兆候やボディランゲージから相手の本質を見抜く力は、自分なりに向上したつもりでした。おかげで多くの優秀な人材を採用でき、その中には今でも連絡を取り合う良き友人もいます。しかし、残念ながら、泥棒や怠け者、あるいは単に意地の悪い人を採用してしまった苦い経験も少なくありません。それなりの採用経験があったにもかかわらず、私は重要なサインを見逃してしまったのです。

今でも忘れられない、ある面接があります。90年代後半、古い店舗の裏手での出来事でした。本社で大規模なメンテナンスが行われていたため、私は採用候補者を騒がしいサーバールームへ案内しました。そこでは冷却ファンが轟音を立て、古いドットプリンターが甲高い音でレポートを印刷し、データ入力担当者が機械式キーボードを必死に叩く音が鳴り響いていました。
彼は感じが良く、服装もきちんとしていて礼儀正しい人物に見えました。私は一つひとつ質問を重ねていきました。「前職にはどのくらいお勤めでしたか?」「あなたの強みは何ですか?」といった具合に。
そして、面接が終わりに近づいた頃、私は最後の質問を投げかけました。
「前の職場で何か問題に直面したことはありますか?そして、それにどう対処しましたか?」
騒音の中、私たちはお互いに大声で話さなければなりませんでした。彼は私の目をまっすぐに見つめ、こう叫んだのです。
「上司の指示が気に入らないときは、怒鳴って『ダメだ!』と突っぱねることがありました」
その瞬間、あれほど激しかったキーボードの音が、ぴたりと止みました。背後の椅子がきしむ音が聞こえ、それまで無関心だったデータ入力担当者が、信じられないものを見る目でこちらを振り向いたのが分かりました。
私の呆気にとられた表情が、すべてを物語っていたのでしょう。彼はしばらく言い訳を続けましたが、「やりたくないことを避けるには、怒りをぶつけるしかない」という彼の論理は、私には到底理解できませんでした。
ほとんどの面接は、ここまで劇的ではありません。大抵の場合、もっともらしく、スマートな答えが返ってくるものです。もし彼が当たり障りのない嘘をついていたら、私は間違いなく、大勢のお客様の前であの怒りの矛先を向けられていたことでしょう。

ここからが本題です。従来の身元調査でわかるのは、せいぜい犯罪歴の有無くらいです。しかし、現代の「OSINT(オープンソース・インテリジェンス、公開情報調査)」を駆使すれば、その人物がSNSで攻撃的な発言を繰り返していないか、あるいは前職への不満ばかりを投稿していないかといった、人格や行動傾向まで把握できる可能性があります。ああ、もし当時Twitterがあったなら、彼の投稿はどんなに凄まじかったことでしょう。
時代は進み、OSINTを採用審査に利用することの是非は、今まさに激しく議論されています。OSINTは悪用される危険性もはらみますが、正しく使えば、候補者の人物像を深く理解するための強力な洞察を与えてくれます。
もちろん、OSINT調査は慎重に行うべきです。15歳の時に投稿した未熟なジョークを掘り起こして、候補者を評価するのはフェアではありません。誰もが過ちを犯しながら成長するのですから、その評価には人間的な配慮と見識が求められます。
しかし、「OSINTによる事前調査(デューデリジェンス)」は、候補者の素晴らしい強みを発見し、他の候補者との差別化を図る上でも非常に役立ちます。例えば、候補者がSNSで同僚と笑顔で写り、お互いを称え合っている写真を見つけたとします。あるいは、採用したい開発者が、技術コミュニティで熱心に知見を共有している長い投稿履歴があったとしたらどうでしょう。これらこそ、最高の人材を見つけ出すための、履歴書には書かれていない強力な「強み」なのです。
一方で、OSINTはネガティブな側面や、さらなる調査が必要な点を発見するのにも役立ちます。ごく最近も、ある候補者の経歴を簡単に検索したところ、職歴について正直に語っていないことが判明しました。また、検索してもほとんど情報が見つからない場合もありますが、それはそれで「この候補者はプライバシー意識が高く、セキュリティ対策をしっかり行っている」というポジティブな指標になり得ます。
この種の調査手法が役立つのは、採用活動だけではありません。企業の合併や買収(M&A)を検討している場面を想像してみてください。相手企業の製品やサービスだけでなく、その経営陣が衝動的ではないか、理不尽な要求をする人物ではないかといった「人」に関するデューデリジェンスは極めて重要です。結局のところ、ビジネスとは「人」が協力して何かを創造する活動に他なりません。OSINTによる調査は、その協力関係がうまくいくかどうかを判断する上で、貴重な示唆を与えてくれます。
少し長くなりましたが、こうした審査は、個人や企業と長期的な関係を築く上で、非常に価値のあるツールです。ShadowDragonが提供する豊富なOSINTツール群は、この重要な審査プロセスを、より迅速に、再現性高く、そして体系的に行うことを可能にします。
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